FIG-0154 / 人物・神格(Figure) / 神格

世田姫

Yotahime

確度 A学術的定説

別名:與止日女、与止日女、淀姫、ヨドヒメ

肥前国風土記佐嘉郡の条は、佐嘉川の川上に石神があり名を世田姫といい、海の神である鰐魚が年ごとに潮に従って遡り、海底の小魚を多く従えてこの神のもとに至ると記す。海と川を往還する魚が神に詣でるという形で、川上の神と海の信仰が結ばれている。同じ郡の条には、行き交う人の半ばを殺す荒ぶる神を、土蜘蛛の大山田女・狭山田女の助言によって人形と馬形を作り鎮めた話も並び、中央の神統譜に接続されない在地の神の姿がそのまま残る。記紀にこの神の名は現れない。

実在性の評価 神話的存在

肥前国風土記(一部が現存)佐嘉郡の条に川上の石神として記される在地の神で、歴史的実在は想定されない。中世以降の社伝が與止日女を神功皇后の妹とするが、これは肥前国一宮としての由緒を整える過程で付されたもので風土記には遡らない。

この評価は、その存在が歴史的に実在したかについての学説の分布を示すものである。 実在しないことは、その物語が果たしてきた働きを少しも減じない。

祭祀と受容

佐賀県佐賀市大和町の與止日女神社は延喜式神名帳に肥前国佐嘉郡の社として載り、肥前国一宮として川上大明神とも呼ばれた。中世以降この神を神功皇后の妹とする説が広まり、近世には別当寺の実相院が置かれて神仏習合のもとで祀られ、明治の神仏分離で寺は分離された。現在の祭神表記は與止日女命であるが豊玉姫命と同一とする説も併記されており、風土記が記した川上の石神が中央の神話の系譜へ順に接続されていった過程が、祭神説の重なりとして残っている。

種別
神格
役割
媒介
系譜(親)
(記載なし)
系譜(子)
(記載なし)
配偶
(記載なし)
初出テキスト
風土記
登場テキスト
風土記
関与する物語
神道