NAR-0059 / 物語(Narrative) / カテゴリ:未来
長期主義
Longtermism
確度 B有力だが異説あり
発生年代
2010年代後半(用語の定式化)/2022年(『What We Owe the Future』)
中核テキスト
(なし)
伝播経路
功利主義的な帰結主義と、オックスフォードの研究機関における実存的リスクの研究を背景に、効果的利他主義の運動内部で「遠い未来の世代への影響を優先する」という立場として定式化された。財団の助成、大学の研究センター、一般向け書籍(2020年『The Precipice』、2022年『What We Owe the Future』)を通じて流通し、AI安全性、生物学的リスク、気候の長期影響をめぐる議論に接続している。
現在の信奉者規模
測定不能(現在進行形の運動であり規模を示す指標がない。効果的利他主義の関連団体の参加者数の推計は存在するが、長期主義への帰属とは別の指標である。将来世代の利益を意思決定に組み込む一般的な議論と、期待値計算に基づく「強い長期主義」は区別され、後者には哲学・開発研究からの批判が集中している。本レコードは用語の定式化と流通の経路を記述するものであり、いずれの立場の妥当性も支持しない。中核概念の「終末論」は実存的リスク論への近似であり、宗教的終末論とは系譜が異なる。中核概念からはCON-0015 シンギュラリティ(確度C・非公開)を外している。)
対抗物語
(なし)
現代への影響
慈善資金の配分、AIおよびバイオセキュリティの研究政策に影響を与えている。将来世代の割引率、確率が極端に小さい事象の扱い、現在の貧困対策との優先順位をめぐって、倫理学と開発研究から批判が提起されている。
関連する関係レコード
習合 Syncretism 長期主義 → トランスヒューマニズム 確度B
将来世代の規模を重視する長期主義の評価枠組みと、人間の能力拡張を目指すトランスヒューマニズムは、担い手・資金源・議論の場をおおむね共有し、実存的リスクと人類の潜在的可能性という共通の語彙のもとで一体的に流通している。