NAR-0084 / 物語(Narrative) / カテゴリ:未来

サイバーパンク

Cyberpunk

確度 A学術的定説
発生年代
1980年代(1984年『ニューロマンサー』刊行を画期とする)
中核概念
法人格疎外境界主体
伝播経路
1980年代前半の英語圏SFにおける新世代の作家群が、情報ネットワーク、身体改造、巨大企業による統治という主題を共有する作品を発表し、批評的な呼称として定着した。1980年代の日本の都市景観と産業的存在感が視覚的な参照源となり、映画・アニメーション・ゲームを通じて世界的な図像様式となって、以後の映像文化に再帰的な影響を与えた。
現在の信奉者規模
測定不能(文学・映像のジャンルであり帰属人口の統計がない。作家自身が呼称を否定した例もあり、ジャンルの境界画定には批評上の争いがある。日本を主要な舞台・意匠の源としながら日本人作家の関与は限定的であり、表象と主体の非対称は批判の対象となってきた。)
現代への影響
情報技術と企業権力を語る際の既定の図像と語彙(電脳空間、企業国家、義体)を供給し続けている。技術批評においては、ジャンルの悲観的想像力が現実の政策論議を諦観へ導いたという評価と、早期の警告として機能したという評価が併存する。

関連する関係レコード

派生 Derivation ディストピア文学の系譜サイバーパンク 確度A

技術が可能にする管理社会という主題を、国家ではなく多国籍企業と情報ネットワークの側に移し替えることで成立したジャンルである。悲惨な未来の細部を描く形式は反ユートピア文学から継承されている。

成立:1980年代 / 根拠:ブルース・スターリング編『ミラーシェード』序文(1986); トマス・フォスター『The Souls of Cyberfolk』(2005)

対立 Opposition サイバーパンクソーラーパンク 確度B

ソーラーパンクは、企業支配と環境荒廃を既定の未来として描く想像力への明示的な反措定として自己定義し、修復可能で分散的な未来像を対置した。両者は同じ技術的条件から反対の物語を導く点で対をなす。

成立:2010年代 / 根拠:Adam Flynn "Solarpunk: Notes toward a manifesto" (2014); Rhys Williams "Solarpunk: Against a Shitty Future" (2018)