NAR-0092 / 物語(Narrative) / カテゴリ:未来

宇宙条約と宇宙法の思想

The Outer Space Treaty and the Idea of Space Law

確度 A学術的定説
発生年代
1967年(宇宙条約発効)/1979年(月協定、批准国は少数)
中核テキスト
宇宙条約(1967年)
中核概念
コモンズ主権境界正義
伝播経路
1957年以降の宇宙開発競争のなかで、国連宇宙空間平和利用委員会を場として、米ソ両国が軍事的エスカレーションを抑制する共通利益を見いだして条約が成立した。天体の領有禁止、全人類の利益という原則は、公海と南極条約の先例を宇宙へ翻案したものであり、以後の宇宙関連条約と各国の国内宇宙法の基礎となった。
現在の信奉者規模
測定不能(条約体制であり帰属人口の統計がない。批准国数(宇宙条約は110か国超)は制度の広がりを示すが物語の支持規模ではない。領有の禁止が民間による資源の採取・所有まで及ぶかについては、2015年以降の各国国内法と2020年のアルテミス合意をめぐり解釈が分かれており、現在進行形の争点である。)
現代への影響
衛星の運用、デブリ、月・小惑星資源の利用をめぐる規範の出発点であり続けている。参加国が少数の政府に限られていた時代に作られた枠組みを、民間主体と新興宇宙国が増えた現在にどう適用するかが、制度設計上の主要な課題となっている。

関連する関係レコード

派生 Derivation 宇宙条約と宇宙法の思想 確度B

領有と管轄の帰属を定める近代国際法の枠組みが、いずれの国家にも帰属しない空間へ拡張された。公海および南極条約における非領有・共同利用の法理が直接の先例となっている。

成立:1960年代 / 根拠:宇宙条約(1967)第1条・第2条; ビン・チェン『Studies in International Space Law』(1997)

対立 Opposition 宇宙移住の物語宇宙条約と宇宙法の思想 確度B

天体の領有と専有を禁じる条約の原則と、資源採取と恒久的居住を前提とする移住構想は、所有と管轄の解釈をめぐって緊張する。2015年の米国商業宇宙打上げ競争力法や2020年のアルテミス合意は、この緊張を各国の解釈で埋めようとする試みとして位置づけられる。

成立:2010年代〜2020年代 / 根拠:宇宙条約(1967)第2条; Fabio Tronchetti『The Exploitation of Natural Resources of the Moon and Other Celestial Bodies』(2009)