NAR-0042 / 物語(Narrative) / カテゴリ:サピエンス
法
Law
確度 B有力だが異説あり
発生年代
前2100年頃(ウル・ナンム法典)/前18世紀(ハンムラビ法典)
中核テキスト
(なし)
伝播経路
メソポタミアの王による裁定集・法典碑文を最古の事例として、ヘブライ語聖書の律法、ローマ法、イスラーム法学(フィクフ)、中国の律令といった系統の異なる法伝統が並行して展開した。ローマ法は中世ヨーロッパの大学におけるユスティニアヌス法典の再発見を通じて学問化され、1804年のフランス民法典などの近代法典として体系化された後、植民地化と法典移植により東アジア・アフリカ・ラテンアメリカへ広がった。
現在の信奉者規模
測定不能(制度であり帰属人口という指標が適用しにくい。ウル・ナンム法典の年代には幅があり、これらの文書を実定法典とみなすか王の徳を示す記念碑とみなすかについても学説が分かれる。中核テキストのハンムラビ法典・ローマ法大全は本表のTXTに未収録。中核概念の「天賦人権」は近代の法の支配・権利保障への近似であり、古代の法伝統には直接対応しない。)
対抗物語
(なし)
現代への影響
立憲主義、成文憲法、国際法、司法審査といった現代の統治制度の枠組みをなす。法の支配の指標化や、慣習法・宗教法と国家法の関係は、比較法学と開発政策の主要な論点である。
関連する関係レコード
王の裁定と債務・所有の記録が文字により固定されたことで、事案ごとの裁きから、参照可能な条文の集合として提示される法の物語が成立した。書かれない慣習法は文字以前から存在するため、派生が主張されるのは成文法という形式の水準に限られる。新設のREL-0192(貨幣→法)により文字→貨幣→法という経路が生じるが、本エッジは規則の固定と公示という形式面の機構を主張するものであり、賠償額の通約という貨幣側の機構とは独立であるため、記法補則v1.1により維持する。
団体それ自体を権利義務の主体とみなす法人格の法理が、都市・大学・修道会に適用された中世法学のなかで整備され、勅許会社と近代の会社法へ継承された。法人格の観念をローマ法に遡らせる説と中世教会法に求める説があり、連続性の評価に幅があるため確度はB。
派生 Derivation 法 → 宇宙条約と宇宙法の思想 確度B
領有と管轄の帰属を定める近代国際法の枠組みが、いずれの国家にも帰属しない空間へ拡張された。公海および南極条約における非領有・共同利用の法理が直接の先例となっている。