FIG-0144 / 人物・神格(Figure) / 神格

熊野大神

Kumano no Ōkami

確度 A学術的定説

別名:熊野加武呂乃命、櫛御気野命、伊射那伎日真名子加夫呂伎熊野大神櫛御気野命

出雲国風土記意宇郡の熊野山に鎮座する大神として記され、出雲国造の火継神事の中心をなす熊野大社の祭神である。出雲国造神賀詞はこの神を伊射那伎の日真名子、加夫呂伎熊野大神櫛御気野命と呼び、櫛御気野命は現在スサノオの別名と解されるが、風土記の本文はこの神をスサノオと結びつけていない。記紀のスサノオが高天原を追われる神として描かれるのに対し、出雲では国造家が奉斎する第一の大神として置かれており、両者を重ねる理解は後代の接続である。

実在性の評価 神話的存在

出雲国風土記意宇郡の熊野山の条に鎮座を記される神で、所造天下大神・佐太大神・野城大神と並ぶ四大神の一つに数えられる。スサノオと同一とする理解は延喜式所収の出雲国造神賀詞や後代の社伝を経て成立したもので、風土記の本文は神名を熊野大神としか記さない。

この評価は、その存在が歴史的に実在したかについての学説の分布を示すものである。 実在しないことは、その物語が果たしてきた働きを少しも減じない。

祭祀と受容

松江市八雲町の熊野大社は延喜式神名帳に出雲国意宇郡の熊野坐神社として名神大に列し、出雲国一宮として出雲国造の火継神事の中心をなす。新任の国造がこの社で鑽火の神器を受け、出雲大社から持参した餅に社家の亀太夫が苦情を述べる亀太夫神事が現在も続く。櫛御気野命をスサノオとする理解は中世以降に定着して明治以降の祭神表記にも採られたが、出雲国風土記はこの神をスサノオと結んでおらず、紀伊の熊野三山とも系統を異にする。

種別
神格
役割
秩序化
系譜(親)
(記載なし)
系譜(子)
(記載なし)
配偶
(記載なし)
初出テキスト
風土記
登場テキスト
風土記
対応人物(他の文献で対応づけられる存在)
スサノオ