FIG-0148 / 人物・神格(Figure) / 神格
建葉槌命
Takehazuchi no Mikoto
確度 A学術的定説
別名:倭文神建葉槌命、武葉槌命、天羽槌雄神(同神とみる説による)、シトリノカミ
古事記
登場しない
日本書紀
倭文神建葉槌命
日本書紀の一書に、葦原中国平定の際に最後まで服さなかった星の神香香背男を服従させた神として記される。倭文の織物を司る神であり、武神ではなく織る神が星の神を制するという配置が、この記述の特異な点である。常陸国風土記にこの神の名は現れないが、同書久慈郡の静織里が綾を織る機を初めて用いた地として記されること、常陸国那珂に倭文神を祀る静神社があることから、常陸の在地祭祀とこの神を結ぶ理解が後に成立した。日立の大甕神社はこの神を祭神とし境内の宿魂石を香香背男の化身とするが、その縁起は近世に整えられたもので風土記には遡らない。
実在性の評価 神話的存在
日本書紀神代下第九段の一書第二にのみ現れ、古事記には登場しない。倭文の織物を職掌とする倭文氏の祖神で、同書の天岩戸の一書に見える倭文神天羽槌雄神と同神とみる説が有力である。
この評価は、その存在が歴史的に実在したかについての学説の分布を示すものである。 実在しないことは、その物語が果たしてきた働きを少しも減じない。
祭祀と受容
茨城県那珂市の静神社は延喜式神名帳に常陸国久慈郡の名神大として載り、常陸国二宮としてこの神を祀って倭文の織物の由緒を掲げる。日立市の大甕神社は式内社ではなく、この神を祭神として境内の宿魂石を香香背男の化身とするが、その縁起は近世に整えられたもので風土記には遡らない。中央の神話に一度だけ現れる織物の神が常陸の在地祭祀と結ばれて土地の由緒になる過程が、両社の性格の差に現れている。