NAR-0033 / 物語(Narrative) / カテゴリ:宗教
ハイチのヴードゥー
Haitian Vodou
確度 B有力だが異説あり
発生年代
18世紀(サン=ドマングでの形成)/1791年(ボワ・カイマンの儀礼の伝承)
発生地域
中核テキスト
(なし)
伝播経路
西アフリカのフォン・エウェ系(ダホメ)およびヨルバ系、中部アフリカのコンゴ系の儀礼が、サン=ドマングのプランテーション社会でカトリックの図像と暦に結合して成立した。1804年の独立以後もハイチ社会に定着し、20世紀の移民により米国(ニューヨーク、マイアミ)、カナダ、フランスへ広がった。
現在の信奉者規模
測定不能(カトリックとの併行実践が一般的で、自己申告統計と実践の実態が大きく食い違う。人口の多数が何らかの形で関与するという推計と、専従的な実践者は限定的とする推計が併存する。ヴードゥーは2003年にハイチで公式に宗教として承認された。中核概念はNAR-0004 ヨルバ宗教に揃えた近似的対応にとどまる。)
対抗物語
(なし)
現代への影響
ハイチ革命の記憶と結びついた文化的独自性の象徴として参照される。他方、欧米の大衆文化における「ヴードゥー」表象は実際の儀礼体系と大きく異なる紋切り型であるとして、宗教学・人類学から批判が重ねられている。
関連する関係レコード
習合 Syncretism キリスト教 → ハイチのヴードゥー 確度A
カトリックの聖人図像・祈祷文・洗礼がロア(精霊)の体系と重ね合わされ、ヴードゥーの儀礼言語の一部となった。ハイチでは自らをカトリック信徒と認識しつつヴードゥーを実践する併行が一般的であり、両者は排他的な選択肢としては機能してこなかった。
習合 Syncretism ヨルバ宗教(オリシャ信仰) → ハイチのヴードゥー 確度B
ナゴー(ヨルバ系)に由来するロアやリズムがラダ儀礼の一部を構成している。ただしハイチのヴードゥーの主要な基層はフォン・エウェ系(ダホメ)およびコンゴ系であり、本表にこれらのエンティティがないためヨルバ系の寄与は部分的である旨をここに明記し、確度はBとした。