宗教 Religion

人類が最も長く運用してきた物語の体系。単一の神を立てる一神教、輪廻と解脱という時間の捉え方、祖霊と自然が連続する信仰形態などを扱う。宗教は静的な伝統ではなく、移動と接触のなかで派生・対立・習合を繰り返してきた動的な物語群として記述する。

記事一覧

結論

ダルマの系譜——輪廻という時間の上に立つ物語群

インド亜大陸で成立した物語群を1つの系統として扱えるのは教説が共通するからではなく、始まりの一点を必要としない反復としての時間と、その反復からの離脱という目標設定を前提として共有し、そこに互いに異なる解答を置く形で分岐していったからである。

結論

一神教の5,000年——唯一の神という観念の系統樹

「唯一の神」という観念が世界人口の半数以上に届いたのは、教義の内容が他を上回っていたからではなく、啓示・契約・終末という互いに噛み合う部品を備え、帝国・法・交易・印刷という宗教の外側の運搬装置に繰り返し接続できる形式を持っていたからである。

結論

ヨルバ宗教——大西洋を渡った物語

創始者も単一の正典も持たないヨルバ宗教は、奴隷貿易という破壊のただ中でカトリックの聖人崇敬と結びつく形を選び、南北アメリカで新しい体系へと組み替わって生き延びた——世界宗教の一覧に載らないまま世界化した、物語の生存戦略の実例である。