NAR-0051 / 物語(Narrative) / カテゴリ:国家思想

アメリカ例外主義

American Exceptionalism

確度 B有力だが異説あり
発生年代
1630年(ピューリタンの「丘の上の町」)/1835年〜1840年(トクヴィル)/1929年(用語としての定着)
中核テキスト
アメリカ独立宣言
中核概念
国民天命進歩主権
伝播経路
ピューリタンの契約と使命の観念、独立革命の共和主義、フロンティアをめぐる自己叙述が重ねられ、19世紀の旅行記と歴史叙述のなかで合衆国を他国と異なる事例とみなす枠組みが形成された。「例外主義」という語自体は1920年代の共産主義運動内部の論争を経由して定着し、冷戦期には対外政策の正統化と自己批判の双方の語彙として用いられた。
現在の信奉者規模
測定不能(世論調査には「自国は他国より優れている」とする回答の比率など関連指標があるが、物語への帰属を測る単一の統計はない。例外主義を歴史的事実についての経験的主張とみるか規範的な自己叙述とみるかで議論の内容が異なるため確度をBとした。中核概念の「天命」は摂理・神意への近似であり、中国的な天命思想とは系譜が異なる。中核テキストは合衆国の自己叙述の基本文書として『アメリカ独立宣言』を参照した。)
対抗物語
(なし)
現代への影響
対外関与、国際制度への参加、国内の社会政策をめぐる議論で、比較の基準として繰り返し引用される。比較歴史学・比較政治学では、合衆国の特異性を主張する命題自体が検証の対象とされている。

関連する関係レコード

派生 Derivation アメリカ例外主義マニフェスト・デスティニー 確度B

ピューリタンの契約と使命の観念に発し、合衆国を歴史のなかで他と異なる事例とみなす自己叙述が先行し、その一局面として1840年代に大陸拡張を神意とする主張が定式化された。旧版は逆向き(マニフェスト・デスティニー→アメリカ例外主義)に記録していたが、例外主義の系譜は1630年の「丘の上の町」に遡り、レコードの代表年(1831年、トクヴィルの観察)もマニフェスト・デスティニーの造語(1845年)に先行するため、上位の枠組みから一局面が派生したという整理に改めた。20世紀の海外関与の正統化においては、例外主義の語彙が逆にマニフェスト・デスティニーの記憶を再利用した面もあり、影響は双方向である。確度はB。

成立:1840年代(1845年の造語期) / 根拠:サクヴァン・バーコヴィッチ『The American Jeremiad』; アンダース・ステファンソン『マニフェスト・デスティニー』; セイモア・マーティン・リプセット『American Exceptionalism』