NAR-0010 / 物語(Narrative) / カテゴリ:建国神話

マニフェスト・デスティニー

Manifest Destiny

確度 A学術的定説
発生年代
1845年
中核テキスト
(なし)
中核概念
天命、進歩、国民、主権
伝播経路
1845年のジョン・L・オサリヴァンの論説で標語化され、新聞、議会演説、絵画などの媒体を通じて流通した。西部への領土拡張、メキシコとの戦争、19世紀末の海外進出を説明する語彙として用いられた。
現在の信奉者規模
測定不能(標語への支持を人口規模で計測した信頼できる同時代統計がない。中核概念の「天命」は日本語訳語としての対応であり、中国的な天命思想とは系譜が異なる。)
対抗物語
(なし)
現代への影響
アメリカ例外主義や対外関与をめぐる議論の歴史的背景として参照される。同時に、先住民の強制移住と土地収奪の歴史を検証する研究の中心的主題でもある。

関連する関係レコード

派生 Derivation 一神教(アブラハム系) → マニフェスト・デスティニー 確度B

ピューリタンの選民・契約・「丘の上の町」の摂理史観が、大陸拡張を神意とする世俗的使命の物語へ転換された。宗教的要素と地政学的・経済的動機の比重については解釈が分かれる。

成立:1630年〜1845年 / 根拠:アンダース・ステファンソン『マニフェスト・デスティニー』; ペリー・ミラー『Errand into the Wilderness』

派生 Derivation プロテスタンティズム → マニフェスト・デスティニー 確度B

ピューリタンの選民・契約・「丘の上の町」の摂理史観が、大陸拡張を神意とする世俗的使命の物語へ転換された。既存のREL-0007は同じ系譜を一神教(アブラハム系)の水準で記述しており、本エッジはその具体化にあたる(重複ではなく上位・下位の関係)。宗教的要素と地政学的・経済的動機の比重については解釈が分かれる。

成立:1630年〜1845年 / 根拠:アンダース・ステファンソン『マニフェスト・デスティニー』; ペリー・ミラー『Errand into the Wilderness』; サクヴァン・バーコヴィッチ『The American Jeremiad』

派生 Derivation アメリカ例外主義 → マニフェスト・デスティニー 確度B

ピューリタンの契約と使命の観念に発し、合衆国を歴史のなかで他と異なる事例とみなす自己叙述が先行し、その一局面として1840年代に大陸拡張を神意とする主張が定式化された。旧版は逆向き(マニフェスト・デスティニー→アメリカ例外主義)に記録していたが、例外主義の系譜は1630年の「丘の上の町」に遡り、レコードの代表年(1831年、トクヴィルの観察)もマニフェスト・デスティニーの造語(1845年)に先行するため、上位の枠組みから一局面が派生したという整理に改めた。20世紀の海外関与の正統化においては、例外主義の語彙が逆にマニフェスト・デスティニーの記憶を再利用した面もあり、影響は双方向である。確度はB。

成立:1840年代(1845年の造語期) / 根拠:サクヴァン・バーコヴィッチ『The American Jeremiad』; アンダース・ステファンソン『マニフェスト・デスティニー』; セイモア・マーティン・リプセット『American Exceptionalism』

派生 Derivation マニフェスト・デスティニー → 宇宙移住の物語 確度B

未開の土地へ拡大することが国民の使命であるという語りが、地理的な辺境の消滅の後に宇宙へ転写された。「最後のフロンティア」という定型句は、この転写を端的に示している。

成立:20世紀 / 根拠:デ・ウィット・キルゴア『Astrofuturism』(2003); フレデリック・ジャクソン・ターナー「フロンティアの意義」(1893)