NAR-0057 / 物語(Narrative) / カテゴリ:未来

エコモダニズム

Ecomodernism

確度 B有力だが異説あり
発生年代
2004年(先行する論考)/2015年(『エコモダニスト宣言』)
中核テキスト
(なし)
伝播経路
2000年代の米国のシンクタンクにおける既存の環境運動批判を前史として、2015年に18名の署名による『エコモダニスト宣言』が公表され、技術による土地・資源利用の集約と自然からの「切り離し(デカップリング)」を掲げる立場が定式化された。原子力、都市集中、集約農業をめぐる政策論争を通じて、欧米の環境政策とメディアの議論に流通している。
現在の信奉者規模
測定不能(運動への帰属を測る統計がない。宣言の署名者は特定できるが、立場の広がりを示す指標はない。中核概念の「無限成長」は、環境負荷との切り離しを前提に経済成長を肯定する点で参照されるが、宣言自体が無制限の成長を主張しているわけではないため対応は近似的である。)
対抗物語
脱成長
現代への影響
原子力、遺伝子改変作物、都市の集約といった技術選択をめぐる環境政策論争の一方の立場として参照される。デカップリングの実証的な可能性をめぐる論争が、脱成長との対立の中心にある。

関連する関係レコード

対立 Opposition 脱成長エコモダニズム 確度B

環境負荷の低減を経済規模の縮小によって達成すべきとする物語と、技術的集約と資源利用の切り離しにより成長を維持したまま達成できるとする物語の対立。デカップリングが十分な速度で実現しうるかという実証的な論点が対立の中心にあり、双方が同じ指標をめぐって異なる評価を提示している。

成立:2015年以降 / 根拠:『エコモダニスト宣言』(2015); ヨルゴス・カリス他『The Case for Degrowth』; ヘルムート・ハーバール他「A systematic review of the evidence on decoupling」(2020)

派生 Derivation 科学革命エコモダニズム 確度B

実験と定量化に基づく知識が自然の制約を反復的に押し広げてきたとする叙述が、環境問題の解決を技術的能力の向上に求める立場として再定式化された。エコモダニズムの直接の背景は20世紀後半の環境政策論争であり、本エッジは中間項を省いた長距離の系譜として、前提となる知識観の継承という水準にとどまる記述である。この系譜づけは批判側(ハミルトン)がプロメテウス的・ベーコン的伝統の継承として指摘する点と対応するが、当事者の自己記述が必ずしもこれを認めているわけではない。

成立:2004年〜2015年 / 根拠:『エコモダニスト宣言』(2015); テッド・ノードハウス&マイケル・シェレンバーガー『Break Through』; クライヴ・ハミルトン「The Technofix Is In」(批判側)