FIG-0045 / 人物・神格(Figure) / 伝承上の天皇
綏靖天皇
Emperor Suizei
確度 A学術的定説
別名:神沼河耳命、神渟名川耳天皇、建沼河耳命
古事記
神沼河耳命
日本書紀
神渟名川耳天皇
神武天皇の子で第2代とされる。異母兄タギシミミが弟たちを害して皇位を奪おうとしたとき、怖じた兄カムヤイミミに代わって自ら矢を放ってタギシミミを討ち、葛城の高丘宮で即位したと伝えられる。欠史八代のなかで唯一まとまった事績説話をもつが、それも皇位継承の正当化に集中している。
実在性の評価 実在は否定的
津田左右吉は、この八代が帝紀由来の系譜のみを伝え旧辞にあたる事績を欠くこと、「ヒコ」「ヤマトネコ」といった称号要素が7世紀後半の天皇の和風諡号と共通することなどから、皇統を古く見せるための後世の造作とみた。他方、坂本太郎は、后妃がいずれも大和周辺の小豪族から出ており後世の造作なら有力豪族を結びつけたはずだとして、系譜は古い伝承として尊重すべきだと反論した。
この評価は、その存在が歴史的に実在したかについての学説の分布を示すものである。 実在しないことは、その物語が果たしてきた働きを少しも減じない。