FIG-0121 / 人物・神格(Figure) / 氏族祖
道臣命
Michi no Omi no Mikoto
確度 A学術的定説
別名:日臣命、道臣、大伴連遠祖道臣
古事記
道臣命
日本書紀
道臣命(初名 日臣命)
神武東征で大来目を率いて先鋒を務め、ヤタガラスの導きにより熊野から菟田への道を開いた大伴氏の祖。日本書紀は初名を日臣命とし、道を開いた功により道臣と改名させたと記す。忍坂の土蜘蛛を宴に誘って討つ計略や、即位後の宮門の警衛もこの人物に帰される。古事記も大伴連等の祖として大久米命と並べて記し、武力によって王権に仕えるという大伴氏の由緒をこの人物に集約する。
実在性の評価 実在は否定的
神武東征の説話の中にのみ現れ、外部史料による裏づけはない。日本書紀が日臣から道臣への改名を記して名の由来を説く形式は、大伴氏の由緒を建国譚に接続する造作とみるのが津田左右吉以来の通説である。
この評価は、その存在が歴史的に実在したかについての学説の分布を示すものである。 実在しないことは、その物語が果たしてきた働きを少しも減じない。
祭祀と受容
単独で祀る古社は乏しく、延喜式神名帳にこの名を冠する社の記載もない。神武東征の先導者という位置づけは、近代に東征の道筋を顕彰する言説のなかでくり返し取り上げられた。武力によって王権に仕える大伴氏の職掌を、神代の天忍日命と初代天皇の代のこの人物とに二重に置く構えになっている。