FIG-0156 / 人物・神格(Figure) / 巫女・祭祀者

玉依日売(賀茂)

Tamayorihime (Kamo)

確度 A学術的定説

別名:玉依日売命、賀茂玉依姫、玉依媛命(賀茂社の祭神)

山城国風土記逸文は、賀茂建角身命の娘であるこの女性が石川の瀬見の小川で流れ下る丹塗矢を拾い床の辺に置いたところ懐妊し、賀茂別雷命を産んだと記す。生まれた子が父と思う者に酒を勧めよと言われて屋根を突き抜け天に昇ったことで、丹塗矢が火雷命であったと知れる。上賀茂・下鴨両社の祭神の由来をなす伝承である。記紀のウガヤフキアエズの妻タマヨリビメと同名だが系譜も事績も異なる別の存在であり、名を共有するのは依り代となる巫女を意味する職能名だからである。

実在性の評価 神話的存在

山城国風土記逸文(釈日本紀所引)の賀茂伝承にのみ現れる。タマヨリヒメは神の依り代となる巫女を指す職能名が人格化したものと解されており、同名の女神が各地の伝承に複数存在するため、記紀の海神の娘タマヨリビメとは別の存在として扱う必要がある。

この評価は、その存在が歴史的に実在したかについての学説の分布を示すものである。 実在しないことは、その物語が果たしてきた働きを少しも減じない。

祭祀と受容

賀茂御祖神社に父の賀茂建角身命とともに祀られ、その子とされる賀茂別雷命を祀る賀茂別雷神社(上賀茂神社)とあわせて二社一体の祭祀を構成する。丹塗矢による懐妊の伝承は、矢を神の依り代とする祭祀の形を語るものとして両社の由緒の中心に置かれてきた。両社は明治に官幣大社に列し、1994年に世界遺産の構成資産となっている。

種別
巫女・祭祀者
役割
媒介
系譜(親)
賀茂建角身命
系譜(子)
(記載なし)
配偶
(記載なし)
初出テキスト
風土記
登場テキスト
風土記
関与する物語
神道
対応人物(他の文献で対応づけられる存在)
タマヨリビメ