NAR-0035 / 物語(Narrative) / カテゴリ:宗教

道教

Daoism

確度 B有力だが異説あり
発生年代
前4〜前3世紀(道家の思想)/142年頃(五斗米道による教団の成立)
発生地域
東アジア
中核テキスト
(なし)
中核概念
天命救済主権
伝播経路
戦国期の道家思想と、後漢末の五斗米道・太平道に始まる教団組織という異なる系統が結合し、六朝期に経典体系が整備された。唐代には王朝の後援を受けて国家的地位を得て、朝鮮半島・日本・ベトナムへは経典・儀礼・養生術・民間信仰の要素として断片的に伝わった。
現在の信奉者規模
測定不能(複数の宗教実践が重層するため自己申告による帰属統計が成立しにくく、道士・宮観の登録数と民間信仰の実践者数は桁が異なる。思想(道家)と教団宗教(道教)を一つの物語として扱うことには学説上の異論があり、確度をBとした。中核テキスト『老子(道徳経)』『荘子』は本表のTXTに未収録。中核概念は道・無為・自然といった中心語彙が本表のCONにないため近似にとどまり、対応は弱い。)
対抗物語
(なし)
現代への影響
中医学、養生、暦、風水などの実践を通じて東アジアの生活文化に残る。20世紀以降は環境思想や身体技法の文脈で国際的に再解釈され、宗教研究の外部でも参照されている。

関連する関係レコード

習合 Syncretism 儒教道教 確度B

三教合一の潮流のもとで、道教の教団は儒教の倫理規範(忠孝、功過格による善行の計量)を戒律体系に取り込み、全真教などは三教の一致を明示的に綱領に掲げた。逆方向の影響(宋明理学への道教的宇宙論の寄与)も無視できず、方向を一方に固定することには無理があるため確度はB。

成立:6〜16世紀 / 根拠:吉岡義豊『道教と仏教』; 酒井忠夫『中国善書の研究』; リヴィア・コーン編『Daoism Handbook』

習合 Syncretism 仏教道教 確度B

道教は仏教から経典編纂の形式、戒律、地獄や輪廻を含む宇宙論と救済論の語彙を摂取し、霊宝経群などに反映させた。他方で老子化胡説をめぐる論争や国家の場での仏道論争といった競合も並存したため、競合を伴う相互摂取として理解される(確度B)。既存のREL-0019は仏教と儒教の宋代における習合であり、対象の組が異なるため重複しない。

成立:4〜12世紀 / 根拠:吉岡義豊『道教と仏教』; エリック・チュルヒャー「Buddhist Influence on Early Taoism」; 神塚淑子『六朝道教思想の研究』