NAR-0037 / 物語(Narrative) / カテゴリ:建国神話
イスラエル建国の物語(シオニズム)
Zionism and the Founding of Israel
確度 B有力だが異説あり
発生年代
1882年(第一次アリヤー)/1897年(第1回シオニスト会議)/1948年(イスラエル国の独立宣言)
中核テキスト
(なし)
伝播経路
中東欧のユダヤ人共同体における迫害の経験と、同時代ヨーロッパの国民国家理念を背景に、ヘルツルらによる政治的組織化(世界シオニスト機構)を通じて綱領化された。移民(アリヤー)、土地取得機関、労働運動の組織を通じてオスマン領および英委任統治領パレスチナに社会的基盤が形成され、1948年の建国後は国家の公式の自己叙述として制度化された。
現在の信奉者規模
測定不能(理念への帰属を測る国際比較可能な統計がない。イスラエルの人口(約1,000万人)や世界のユダヤ人人口は帰属の指標とは別のものである。運動の内部には政治的・労働・宗教・修正主義など複数の潮流があり、単一の物語として括ることには学説上の留保がある。発生地である中東欧に対応するREG項目が本表にないため、運動の組織化が進んだ西ヨーロッパと、対象地パレスチナを含む地中海世界を参照した。対抗関係にあるパレスチナ・ナショナリズムの物語は本表にエンティティが存在しないため、対抗物語欄は空とした。)
対抗物語
(なし)
現代への影響
イスラエル国家の建国叙述として法・教育・記憶の制度に組み込まれている。同じ土地をめぐるパレスチナ側の民族的叙述とは相容れない歴史像を提示しており、両者の関係は現在の紛争と国際政治の中心的な争点であり続けている。
関連する関係レコード
派生 Derivation ユダヤ教 → イスラエル建国の物語(シオニズム) 確度B
シオンへの帰還という宗教的希求と典礼上の記憶が、近代の民族自決の枠組みへ翻案されたとする系譜。政治的シオニズムの主導層の多くは世俗的立場をとり、他方で正統派の一部は人為的な帰還を宗教的理由から否認したため、宗教からの単線的な派生とはいえず確度はB。
輸入翻訳 Import / Translation ナショナリズム → イスラエル建国の物語(シオニズム) 確度B
中東欧で高揚した民族自決型ナショナリズムの語彙と組織形式(民族会議、機関紙、移民支援組織)が、ユダヤ人の集団的自決の構想として受容・翻案された。ヘルツルらは同時代のヨーロッパ諸民族の運動を明示的に参照している。発生地の中東欧に該当するREG項目が本表にないため西ヨーロッパを参照した。