NAR-0072 / 物語(Narrative) / カテゴリ:建国神話
メキシコのメスティサヘ
Mexican Mestizaje
確度 B有力だが異説あり
発生年代
1910〜1920年代(メキシコ革命後の国民統合政策)/1925年(バスコンセロス『宇宙的人種』)
発生地域
中核テキスト
(なし)
伝播経路
革命後の教育省を担ったバスコンセロスのもとで、壁画運動、公教育、博物館、考古学的遺跡の国民的再配置を通じて普及した。先住民の過去を国民の起源に位置づけ、スペイン的要素との融合を国民の定義とする語り方は、他のラテンアメリカ諸国の国民統合の言説にも影響を与えた。
現在の信奉者規模
測定不能(国民的自己記述であり帰属人口の統計がない。融合を掲げる叙述が、現存する先住民言語集団の権利要求を国民統合のなかに解消してきたという批判が、1994年のサパティスタ蜂起以降とくに強く提起されており、評価は分かれている。)
対抗物語
(なし)
現代への影響
ラテンアメリカにおける人種・国民の語彙の基準点であり続けている。先住民の自治と多文化主義を掲げる1990年代以降の憲法改正は、この物語の見直しとして位置づけられることが多い。
関連する関係レコード
習合 Syncretism カトリック → メキシコのメスティサヘ 確度B
グアダルーペの聖母をはじめとする信仰の在地化が、征服者の宗教と先住民の実践の重なりを可視化する象徴となり、独立期以降は国民的統合の中核象徴へ転じた。先住民側の物語は本表のNARに未収録であり、この行は片側のみを表している。
輸入翻訳 Import / Translation ナショナリズム → メキシコのメスティサヘ 確度B
ヨーロッパ由来の国民概念が、単一の民族的起源を欠く社会において混血という共有された起源の物語へ置き換えられて受容された。人種を否定するのではなく再定義することで国民の同質性を確保する翻案である。