NAR-0096 / 物語(Narrative) / カテゴリ:宗教

スンナ派

Sunni Islam

確度 A学術的定説
発生年代
632年(後継をめぐる分岐)/8〜9世紀(ハディース学と四法学派の確立)
中核テキスト
クルアーン
伝播経路
共同体の合意と預言者の慣行(スンナ)を権威の基礎とする理解が、ハディース収集と四つの法学派(ハナフィー、マーリキー、シャーフィイー、ハンバル)の形成を通じて体系化された。ウマイヤ朝・アッバース朝の統治機構、後代のオスマン朝・ムガル朝の後援、そして交易路とスーフィー教団の活動により、西アジアから北アフリカ、南アジア、東南アジア、サハラ以南アフリカへ広がった。
現在の信奉者規模
10億超(Pew Research Center の2009年推計でムスリム全体の87〜90%、約15億〜17億人。地域ごとに支配的な法学派が異なり、神学・法学の内部的多様性は大きい。)
対抗物語
(なし)
現代への影響
各国の家族法、金融、教育制度の制度設計に法学の伝統が接続している。18世紀以降の改革運動と20世紀の思想潮流をめぐる内部の論争が、現代の宗教と政治の関係をめぐる議論の主要な場となっている。

関連する関係レコード

派生 Derivation イスラームスンナ派 確度A

同じ問いに対し、指導権は共同体の合意によって選出されるとする理解が形成され、預言者の慣行(スンナ)を伝えるハディースの学と四法学派の体系として制度化された。「スンナと共同体の徒」という自己規定はこの過程で定着した。

成立:7世紀〜9世紀 / 根拠:マーシャル・ホジソン『イスラームの冒険』(1974); ジョナサン・ブラウン『Hadith』(2009)

対立 Opposition スンナ派シーア派 確度A

両者の分岐は、教義の優劣ではなく、共同体の指導権の正統性をどこに求めるか(合意か家系か)という政治的・法的な問いへの異なる回答に起源をもち、そこから法源論・儀礼・歴史記憶の差異が展開した。分岐が政治的対立として前景化する度合いは時代と地域で大きく異なり、16世紀のサファヴィー朝とオスマン朝の対抗、および20世紀後半以降の地域政治が、対立を強調する条件を形成した。

成立:7世紀〜16世紀 / 根拠:ウィルファード・マーデルング『The Succession to Muhammad』(1997); ヴァリ・ナスル『The Shia Revival』(2006)