FIG-0040 / 人物・神格(Figure) / 英雄
イツセ
Itsuse
確度 A学術的定説
別名:五瀬命、彦五瀬命
古事記
五瀬命
日本書紀
彦五瀬命
ウガヤフキアエズの長子で神武の兄。東征を率いて浪速に至るがナガスネヒコの矢に手を負い、日の神の子が日に向かって戦ったのが誤りだと述べて南へ回る策を示す。紀国の男之水門で傷が悪化して死ぬ。兄の犠牲によって弟の東征に正当性と方位の転換をもたらす。
実在性の評価 実在は否定的
東征譚を後世の造作とみる津田左右吉の史料批判の枠内にあり、独自の外部史料はない。日の神の子が日に向かって戦ったのが誤りであったという敗因の説明は、方位観念による説話的合理化とみられる。
この評価は、その存在が歴史的に実在したかについての学説の分布を示すものである。 実在しないことは、その物語が果たしてきた働きを少しも減じない。
祭祀と受容
紀伊の竈山神社は延喜式神名帳に名草郡の小社として載り、隣接する竈山墓が五瀬命の墓に治定されている。近代の社格制度では1915年(大正4年)に官幣大社へ列格し、古代の小社が神武の兄という系譜上の位置によって最高の社格を得た例となった。
原典に登場する箇所10節