NAR-0046 / 物語(Narrative) / カテゴリ:近代イデオロギー

アナキズム

Anarchism

確度 B有力だが異説あり
発生年代
1840年(プルードン『所有とは何か』)〜1872年(第一インターナショナルの分裂)
発生地域
西ヨーロッパ
中核テキスト
(なし)
中核概念
主権天賦人権階級
伝播経路
プルードン、バクーニン、クロポトキンらの著作と第一インターナショナル内部の論争を通じて、強制装置としての国家を経ずに社会的協働を組織するという構想が定式化された。移民労働者と印刷物のネットワークによりスペイン、イタリア、ロシア、ラテンアメリカ、日本、中国へ伝わり、労働組合運動(アナルコ・サンディカリズム)として組織化された。スペイン内戦期の集団化を頂点として組織的影響力は縮小し、20世紀後半以降は環境運動や相互扶助の実践として再流通している。
現在の信奉者規模
測定不能(中央組織をもたないため会員統計が成立しない。1930年代スペインの全国労働連合(CNT)が百万人規模の組合員を擁したとする推計はあるが、思想への帰属とは別の指標である。個人主義的潮流と共産主義的潮流の綱領の差が大きく、単一の物語として括ることには留保が要るため確度をBとした。)
現代への影響
非階層的な意思決定、相互扶助、直接行動といった組織原理は、社会運動、協同組合、オンラインの共同制作の実践で参照されている。国家なき秩序の可能性については、人類学と政治理論の双方から検討と批判が続いている。

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派生 Derivation 社会主義アナキズム 確度B

生産手段の社会的所有という綱領を共有しつつ、移行期における国家権力の掌握を否定する潮流として分岐した。第一インターナショナルにおけるマルクス派とバクーニン派の対立が1872年の分裂として制度的に確定した。プルードンの著作は同時代の社会主義諸潮流と並行して成立しており単線的な派生とはいえないため確度はB。

成立:1840年〜1872年 / 根拠:ジョージ・ウドコック『アナキズム』; ジェイムズ・ジョル『The Anarchists』; ダニエル・ゲラン『現代のアナキズム』

対立 Opposition アナキズムナショナリズム 確度B

国家という強制装置とその正統化を拒否する物語と、国民国家を帰属と主権の単位とする物語の対立。アナキズム系の組織は徴兵と国境を批判し、国際的な労働者の連帯を対置した。ただし反植民地闘争ではアナキストが民族解放運動と共闘した事例もあり、対立は綱領の水準に限定されるため確度はB。

成立:1870年代〜1930年代 / 根拠:ベネディクト・アンダーソン『三つの旗のもとに』; ジェイムズ・ジョル『The Anarchists』; ピョートル・クロポトキン『相互扶助論』