NAR-0080 / 物語(Narrative) / カテゴリ:物語論
オリエンタリズム
Orientalism
確度 A学術的定説
発生年代
1978年(サイード『オリエンタリズム』刊行)
中核テキスト
伝播経路
フーコーの言説分析とグラムシのヘゲモニー論を方法的枠組みとし、英仏の東洋学・文学・旅行記を対象に「東洋」を語る知の体制を記述した。刊行後は数十言語に翻訳され、ポストコロニアル研究の出発点として文学、人類学、歴史学、地域研究に広がり、東アジア研究、アフリカ研究、内的オリエンタリズム論など対象を変えた応用が生まれた。
現在の信奉者規模
測定不能(学説であり帰属人口の統計がない。ルイスやアーウィンらによる、東洋学の実証的成果を過度に一元化しているという批判があり、サイード自身も後年の版で修正を加えている。この論争は現在も継続している。)
対抗物語
現代への影響
他者を表象する行為に権力関係が伴うという指摘は、報道、博物館の展示、開発援助、観光の実務にまで及ぶ批判的検討の枠組みとなっている。同時に、批判の一般化がかえって地域の実証研究を萎縮させるという反論も提起されている。
関連する関係レコード
対立 Opposition 帝国 → オリエンタリズム 確度B
帝国的統治を支えた地域知の生産様式そのものを分析対象に据えることで、統治と知の結合を可視化する批判として提示された。実証的な東洋学の成果を一元化しすぎているという反論があり、論争は継続している。
派生 Derivation オリエンタリズム → ポストコロニアル理論 確度A
「東洋」を語る知の体制を分析した手法が、対象と地域を拡張し、表象・主体・混淆を主題とする理論的分野として制度化された。バーバの擬態と両義性、スピヴァクのサバルタン論がこの拡張を担った。