NAR-0043 / 物語(Narrative) / カテゴリ:サピエンス

会社(法人)

The Corporation

確度 B有力だが異説あり
発生年代
1602年(オランダ東インド会社)/1855年〜1862年(イギリスの有限責任法と会社法)
発生地域
西ヨーロッパ
中核テキスト
(なし)
中核概念
法人格無限成長主権
伝播経路
中世ヨーロッパの都市・大学・修道会に適用された団体の法理と、特許状により交易独占を与えられた勅許会社が結合し、17世紀のオランダおよびイングランドで譲渡可能な株式と永続的資本をもつ組織が成立した。19世紀半ばの一般設立主義と有限責任の法制化により設立が容易になり、法典移植と多国籍企業の展開を通じて世界標準の事業組織形態となった。
現在の信奉者規模
測定不能(登録法人数の統計は各国に存在するが、信奉者という単位には対応しない。法人格の観念をローマ法に遡らせる説、中世教会法の団体理論に求める説、近代固有の制度とみる説が併存するため確度をBとした。)
対抗物語
(なし)
現代への影響
有限責任と法人格は、資本調達、雇用、課税、責任の帰属を規定する経済制度の基本単位となっている。企業の政治的発言や、人権・環境に関する責任の及ぶ範囲は、法人という擬制の限界をめぐる現代の論争点である。

関連する関係レコード

派生 Derivation 会社(法人) 確度B

団体それ自体を権利義務の主体とみなす法人格の法理が、都市・大学・修道会に適用された中世法学のなかで整備され、勅許会社と近代の会社法へ継承された。法人格の観念をローマ法に遡らせる説と中世教会法に求める説があり、連続性の評価に幅があるため確度はB。

成立:12世紀〜1602年 / 根拠:オットー・フォン・ギールケ『Das deutsche Genossenschaftsrecht』; ハロルド・J・バーマン『法と革命』; ジョン・ミックルスウェイト&エイドリアン・ウールドリッジ『The Company』

派生 Derivation 資本主義会社(法人) 確度B

遠隔地交易の資金調達と危険分散の必要が、譲渡可能な株式・永続的資本・有限責任という組織形式を要請し、資本蓄積の物語を担う制度的な器として会社が定型化された。勅許会社は交戦・条約・徴税といった主権的権能を伴う点で近代企業と性格が異なり、連続性の評価には留保が要るため確度はB。

成立:1602年〜19世紀 / 根拠:フェルナン・ブローデル『物質文明・経済・資本主義』; ロン・ハリス『Going the Distance』; フィリップ・スターン『The Company-State』

派生 Derivation 都市会社(法人) 確度B

中世都市のコムーネ、ギルド、大学が、構成員の交代を超えて存続する団体として法的に扱われたことが、教会法の団体理論と結びついて法人概念の母体となった。近世の特許会社はこの都市的団体の法形式を交易に転用したものである。

成立:12〜14世紀 / 根拠:F. W. メイトランド『団体論』; ハロルド・バーマン『法と革命』