NAR-0069 / 物語(Narrative) / カテゴリ:サピエンス

インターネット

The Internet

確度 B有力だが異説あり
発生年代
1969年(ARPANETの接続)/1983年(TCP/IPへの移行)/1989〜1993年(World Wide Web)
中核テキスト
(なし)
伝播経路
アメリカ国防高等研究計画局の資金による研究ネットワークとして始まり、大学間接続を経て1990年代に商用化された。CERNで開発されたWWWとブラウザの普及、2000年代のブロードバンドとプラットフォーム企業の成長、2010年代の携帯端末とモバイル回線の普及により、南アジア・アフリカを含む地球規模へ広がった。
現在の信奉者規模
測定不能(国際電気通信連合(ITU)の2024年推計で利用者は約55億人(世界人口の約68%)。ただしこれは利用者数であって物語への帰属ではなく、接続の質や利用時間の差を捨象している。ネットワークが自由と分権をもたらすという初期の自己記述と、集中化・監視をめぐる現在の議論は評価が分かれる。)
対抗物語
(なし)
現代への影響
情報の複製費用をほぼ消滅させ、報道、出版、小売、金融の仲介構造を組み替えた。同時に情報流通の速度と選別の仕組みは、公共的な事実認定の困難をめぐる議論の中心に置かれている。

関連する関係レコード

派生 Derivation 科学革命インターネット 確度B

冷戦期の公的研究資金に支えられた計算機科学と、査読と公開を旨とする学術的な情報共有の作法が、パケット交換網とオープンな仕様策定(RFC)の設計思想に反映された。CERNでのWWW開発も研究者間の文書共有の必要から生じている。

成立:1960年代〜1990年代 / 根拠:Janet Abbate, Inventing the Internet; Katie Hafner & Matthew Lyon, Where Wizards Stay Up Late

派生 Derivation インターネットポスト・トゥルース 確度B

情報の複製と配信の費用が消滅し、editorial な選別を経ない流通経路が一般化したことで、事実の共有された認定手続そのものが争点化した。ただし政治的分極化の主因を技術に帰す説明には実証的な留保が示されている。

成立:2000年代〜2010年代 / 根拠:Yochai Benkler et al., Network Propaganda; Hunt Allcott & Matthew Gentzkow, Social Media and Fake News in the 2016 Election

派生 Derivation インターネットデータ主権 確度B

国境を越えるネットワークとして構想された情報基盤が、実際には特定国の管轄下にある事業者とインフラに依存することが明らかになり、通信の経路と保存場所を領域的に統制するという要求が生じた。2013年の大規模監視の暴露が各国の立法を加速させた。

成立:2000年代〜2010年代 / 根拠:ミルトン・ミューラー『Will the Internet Fragment?』(2017); Chander & Lê "Data Nationalism" (2015)