NAR-0067 / 物語(Narrative) / カテゴリ:サピエンス
印刷革命
The Printing Revolution
確度 B有力だが異説あり
発生年代
1450年頃(グーテンベルクの金属活字)。前史として11世紀の畢昇の膠泥活字、13世紀の高麗の金属活字
中核テキスト
(なし)
伝播経路
マインツから半世紀で西欧の主要都市に印刷所が広がり、俗語出版と書籍市が成立した。検閲・禁書目録・特許(プリヴィレッジ)という統制の制度も同時に生まれ、宣教と植民地行政を通じて南北アメリカ、南アジア、東アジアへ印刷機がもたらされた。東アジアでは木版印刷の厚い蓄積があり、活字の普及経路は西欧と異なる。
現在の信奉者規模
測定不能(技術と、それがもたらしたとされる社会変動の物語であり、帰属人口の概念が当てはまらない。印刷が宗教改革・科学革命の「原因」といえるかについては、アイゼンステインの因果的主張とダーントン、ジョンズらによる社会史的留保が対立しており、この点で確度をBとした。)
対抗物語
(なし)
現代への影響
標準化された複製テキストという前提は、著作権、学術的引用、報道の検証手続の基盤として現在も機能している。デジタル媒体への移行を論じる際の比較対象として繰り返し参照される。
関連する関係レコード
手写による複製の制約を機械的複製が置き換えたことで、文字という物語は同一テキストの大量流通という新しい形式を得た。東アジアの木版と金属活字の先行的蓄積があり、西欧の活版はその系譜のなかの一形態である。
派生 Derivation 印刷革命 → プロテスタンティズム 確度B
九十五箇条の提題と論争文書、俗語訳聖書が印刷を通じて短期間に広域へ流通したことが、改革運動を一地方の紛争から広域の運動へ転換させた。因果の比重については、印刷を決定要因とみる立場と、需要側の宗教的動機を重視する立場が対立する。