NAR-0068 / 物語(Narrative) / カテゴリ:サピエンス
産業革命
The Industrial Revolution
確度 B有力だが異説あり
発生年代
1760年代〜1840年代(イギリスにおける第一次)。第二次は1870年代〜1914年
発生地域
伝播経路
イギリスの綿工業・製鉄・蒸気機関から始まり、ベルギー、フランス、ドイツ、アメリカ合衆国へ技術者と資本の移動を通じて広がった。19世紀後半には日本、ロシアが国家主導の工業化を進め、20世紀後半以降は東アジア、南アジア、ラテンアメリカへ生産拠点が移動した。
現在の信奉者規模
測定不能(社会変動の物語であり帰属人口の概念が当てはまらない。「革命」と呼べるほど不連続だったか、なぜ西欧で先行したか(大分岐論争)については、ポメランツ、アレン、モキイアらの間で説明が分かれており、この点で確度をBとした。)
対抗物語
(なし)
現代への影響
化石燃料に依存する生産・輸送の体系は現在の気候変動論争の直接の前提であり、人新世の開始時期をめぐる議論の候補の一つとされる。賃労働と工場規律を軸とする時間感覚も、労働法制や働き方の議論の出発点となっている。
関連する関係レコード
実験と定量化の作法、大気圧や熱に関する知見、技術者と自然哲学者の交流圏が、蒸気機関と製鉄の改良に転用された。資本蓄積と市場の拡大が並行する条件であったことは広く認められており、科学を直接の原因とみるか一条件とみるかについては、実用的職人知の役割を重視する見方との間で論争がある。
工場労働者の集住と労働条件が新しい社会問題として認識され、それを説明し変革する物語として社会主義の諸潮流が定式化された。エンゲルスのマンチェスター調査はこの経路の代表例である。
工業化がもたらした大気・水質汚染と合成化学物質の拡散が可視化されたことで、自然保護の運動が産業体制そのものを問う物語へ転換した。『沈黙の春』と各地の公害事件がこの転換の結節点となった。