NAR-0102 / 物語(Narrative) / カテゴリ:近代イデオロギー

新自由主義

Neoliberalism

確度 B有力だが異説あり
発生年代
1938年(ウォルター・リップマン・シンポジウム)/1947年(モンペルラン協会の設立)/1970〜80年代の政策的実施
伝播経路
1930年代の欧州で、古典的自由主義の再定義を目指す学者の会合から出発し、モンペルラン協会、シカゴ学派、オーストリア学派、ドイツの秩序自由主義といった複数の系譜として制度化された。シンクタンクと国際金融機関を経路として、1970年代のインフレと成長鈍化を背景に政策的採用が進み、1980年代以降は英米の政策転換、構造調整プログラム、体制移行国の改革を通じて広範に適用された。
現在の信奉者規模
測定不能(政策潮流であり帰属人口の統計がない。「新自由主義」は多くの場合、支持者ではなく批判者が用いる名称であり、当事者は古典的自由主義者、秩序自由主義者、リバタリアンなど異なる自己記述を用いる。この名称の非対称性のため範囲の確定に幅があり、確度をBとした。)
対抗物語
社会主義
現代への影響
規制緩和、民営化、独立した中央銀行、資本移動の自由化といった制度は多くの国で定着した。2008年の金融危機以降、産業政策の復権と経済安全保障の議論のなかでこの枠組みの見直しが進んでおり、市場と国家の境界をめぐる論争は再び開かれている。

関連する関係レコード

派生 Derivation リベラリズム新自由主義 確度B

古典的自由主義の再定義を目指す試みとして出発し、市場秩序は自然に生じるのではなく法と制度によって構築・維持されるという主張を核に据えた点で、自由放任論とは区別される。この点をめぐって秩序自由主義とオーストリア学派の間にも差異がある。

成立:1930年代〜1970年代 / 根拠:フィリップ・ミロウスキー & ディーター・プレーヴェ編『The Road from Mont Pèlerin』(2009); ミルトン・フリードマン『資本主義と自由』(1962)

対立 Opposition 新自由主義社会主義 確度B

資源配分を市場の価格機構に委ねるべきか計画と公的所有に委ねるべきかという経済計算をめぐる論争を起点に、福祉国家の縮減、国有企業の民営化、労働組合の位置づけといった具体的な政策課題で対立した。1989年以降の体制転換は、この対立の帰趨を一方的に確定したものとして語られることが多いが、その評価自体が論争的である。

成立:1970年代〜1990年代 / 根拠:フリードリヒ・ハイエク『隷従への道』(1944); デヴィッド・ハーヴェイ『新自由主義』(2005)

習合 Syncretism 保守主義新自由主義 確度B

市場の自由化を求める経済的主張と、家族・宗教・国民といった伝統的権威の擁護は論理的には緊張を含むが、1970年代以降の英米では選挙連合として結合し、単一の政治的プログラムとして流通した。この結合の不安定さは、後の政治的再編の要因ともなった。

成立:1970年代〜1980年代 / 根拠:スチュアート・ホール "The Great Moving Right Show" (1979); ダニエル・ベル『資本主義の文化的矛盾』(1976)