NAR-0049 / 物語(Narrative) / カテゴリ:国家思想
ユーラシア主義
Eurasianism
関連する関係レコード
派生 Derivation 保守主義 → ユーラシア主義 確度B
普遍的な近代化の経路を否定し、有機的に形成された共同体と固有の歴史的伝統に価値を置くロマン主義的保守の枠組みが、ロシアの位置づけをめぐる議論に取り込まれ、ユーラシアという文明単位の構想へ再編された。直接の媒介はスラヴ派とダニレフスキーの文明類型論であり、いずれも本表に独立項目がないため、本エッジは媒介項を省いた間接的な系譜の記述である(媒介項のNAR新設が今後の課題)。成立地域はNAR-0049と同じく、亡命先を含む西ヨーロッパを暫定的に参照している。
輸入翻訳 Import / Translation ナショナリズム → ユーラシア主義 確度B
言語・民族・領域を単位とするヨーロッパ由来の国民概念と民族史の叙述形式が受容されたうえで、帰属の単位を単一民族ではなく多民族を包含する「ユーラシア」文明へ置き換える形で再文脈化された。ヨーロッパ的近代の否定を掲げながらその概念装置を用いる点に、翻訳としての性格が現れている。この位置づけは研究側の分析(ラリュエル)であり、西欧思想からの断絶を主張する運動自身の自己記述とは対立する。成立地域はNAR-0049と同じく、亡命先(ソフィア、プラハ、ベルリン、パリ)を含む西ヨーロッパを暫定的に参照している。
対立 Opposition リベラリズム → ユーラシア主義 確度B
個人の権利と普遍的な制度形式を基準とする物語に対し、文明ごとに固有の価値と統治形式があるとして普遍性の主張そのものを退ける物語の対立。1990年代以降の再興期には、国際秩序の単極性と多極性をめぐる論争として定式化された。1920年代の学術運動と現代の政治的言説を同一の主体として扱うことには学説上の留保があるが、これはNAR-0049が同じ留保のもとで採用している括り方に従うものである。成立地域はロシアで、本表のREG項目に該当がないため空欄とする。
派生 Derivation 東方正教 → ユーラシア主義 確度B
コンスタンティノープル陥落後の「モスクワ=第三のローマ」という自己規定が、ロシアを西欧とは別個の文明的単位とみなす議論の宗教的な下地を供給した。20世紀の亡命知識人による定式化はこの下地を地政学的語彙へ翻案している。
派生 Derivation ロシアの物語(第三のローマ/ルーシ起源) → ユーラシア主義 確度B
正統信仰と国家の結合、西欧とは異なる固有の文明という自己規定が、亡命知識人によってロシアをヨーロッパでもアジアでもない独自の空間とする地政学的な理論へ組み替えられた。