NAR-0019 / 物語(Narrative) / カテゴリ:近代イデオロギー
民主主義
Democracy
関連する関係レコード
派生 Derivation 民主主義 → ナショナリズム 確度B
統治の正統性を人民の同意に置く近代民主主義の原理は、「人民とは誰か」という成員の境界を確定する問いを不可避に伴い、その答えとして領域的・文化的に画定された「国民」が構成された。アメリカ独立とフランス革命の文書に定式化された人民主権が、19世紀の国民国家形成の語彙を供給したとみる系譜である。旧版は逆向き(ナショナリズム→民主主義)に記録していたが、NAR-0019 を近代の代議制民主主義(代表年1776年)として再定義したことに伴い向きを改めた。ただしリア・グリーンフェルドのように、16世紀イングランドに遡る国民観念こそが人民主権を生んだとする逆方向の説明も有力であり、両者はほぼ同時代の現象であるため方向性は依然として争われている。確度はB。
派生 Derivation 民主主義 → フランス共和国の物語(自由・平等・友愛) 確度B
人民主権と代議制の理念が、革命と第三共和政の制度化を通じて「自由・平等・友愛」を掲げる固有の国家叙述へ結実した。因果の向きについては、フランス革命こそが近代民主主義の物語を作ったとする逆方向の説明も有力であり、既存のREL-0009(ナショナリズム→民主主義)とあわせて三者の先後は争われている。ショートカット禁止規則により、ナショナリズムからフランス共和国の物語への直接の派生エッジは張らない。
派生 Derivation プロテスタンティズム → 民主主義 確度B
会衆制教会の合議的統治、契約神学、良心の自由の要求が、代表制と権利保障の観念の形成に寄与したとする系譜。本エッジは複数ある流れのうち一つの寄与関係を記録するものであり、排他的な親子関係の主張ではない。世俗的共和主義(市民的人文主義)の系譜を重視する説明や、宗教改革がルター派の領邦教会制のように権威主義的統治とも結びついた事例を挙げる反証があり、因果の強さについては学説が分かれる。本エッジは、資本主義→リベラリズム→民主主義という経路とは独立に、会衆制教会における合議と選挙による教役者選任、および契約神学という固有の機構を主張するものであり、リレーション記法補則v1.1により多段派生のショートカット禁止の対象外として維持する。
派生 Derivation リベラリズム → 民主主義 確度B
権利保障・立憲主義・代表制という枠組みが、選挙権の段階的な拡大を通じて大衆的な民主主義と結合し、20世紀の「自由民主主義」という複合形態を成立させた。19世紀の自由主義者の多くは制限選挙を支持しており、両者は当初対立的でもあったため、派生の主張は制度枠組みの水準に限られる。REL-0190(アテナイの民主政→民主主義)が途絶した古代モデルの再発見という経路を記録するのに対し、本エッジは近代民主主義に制度枠組みを供給した同時代の系譜を記録するものであり、両者は複数系譜の合流として理解される。
派生 Derivation アテナイの民主政 → 民主主義 確度B
アテナイの民主政は前322年に制度として途絶えており、近代の代議制民主主義との間に制度上の連続性はない。本エッジが記録するのは、ルネサンス期以降のギリシア語文献の再発見、18世紀の古典教育、19世紀のグロートらの古典学を通じて、途絶した古代の事例が近代の政治構想へ再発見・再解釈された関係である。18世紀の建国者たちはむしろアテナイ型の直接民主政を衆愚政として退けてローマ共和政と代表制を選好しており、近代民主主義がアテナイを自らの起源として名乗るのは19世紀以降の遡及的な系譜づけの側面が強い。したがって単なる連続的継承ではなく、名称と正統性の借用を含む再解釈としての派生として読むこと。確度はB。